日本でも特に生活用品のインフレが起こると思われ。
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「えっ、テニスコートまで値上がりするの」。ニューヨーク・マンハッタンの
不動産会社に勤める32歳の会社員は、いつも利用しているテニスコートの使用料値
上げに辟易した。昨シーズンまでは1人1時間当たり5ドルだったが、今シーズンか
ら7ドルになるという。
彼女が「またか」と思うのも当然だ。最近ニューヨークでは商品やサービスの
値上げが相次いでいる。
▼ケネディ空港からのタクシーは35ドルから45ドルに
5月3日には、黄色い車体でおなじみのニューヨークのタクシーの運賃が値上が
りした。実に8年ぶりの値上げで、初乗り運賃が2ドル(約220円)から2ドル50セン
ト(約275円)に、320mごとに加算される料金も30セントから40セントになった。
日本からニューヨークを訪れる人の大部分が利用するジョン・F ・ケネディ空港か
らマンハッタンまでの料金も一律35ドルだったものが、45ドルに改訂された。
タクシーだけではない。昨年5月には地下鉄とバスの運賃も値上がりした。初
乗り料金は1ドル50セントから2ドルになった。市民の足なので抵抗もあったが、財
政悪化を理由に押し切った。ニューヨークの地下鉄とバスの運賃は、ワシントンや
ロサンゼルスなど他の米国の大都市と比べても2倍近く高い水準である。
航空会社も値上げを加速している。米コンチネンタル航空は今年になって一部
の米国内線やカナダ方面の運賃に片道当たり5~15ドルを上乗せするようになった。
ほかの米大手航空会社も同様の措置を取っている。旅客だけでなく貨物も値上げ
をしている。
▼原油価格とは無関係のアパート賃料も7.2%上昇
物価上昇は食料品にも及んでいる。例えば牛乳。ニューヨーク州の統計では今
年6月初めの価格は、1ガロン(約3.8リットル)当たり4.43ドルだった。1年前には2.63
ドルだったので約1.7倍の水準にまで達したことになる。
昨年5月にカナダでBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)に感染した牛が見つかり、米
国への乳牛の輸入が禁止されたこともあるが、理由はそれだけでない。むしろ日々
の輸送にかかるガソリン代が大幅に値上がりしている影響が大きいようだ。
大部分の商品やサービスの値上げの背景にあるのは、原油価格の高騰だ。6月
初め、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物価格は過去最高水準の42ド
ルを超えた。サウジアラビアで起きたテロが価格高騰の引き金だったが、昨年春の
イラク戦争を契機に原油価格は高止まりが続いていた。戦争の遂行には継続的に大
量のガソリンが必要になるからだ。最近は40ドルを切る水準に下落したものの、依
然として高水準にある。
物価上昇は、ガソリン価格とは直接関係ないあらゆる分野に広がっている。ニ
ューヨークの不動産大手コーコラン・グループによると、2003年のマンハッタン全
域のアパートの平均賃貸料は約7.2%上昇して3333ドル(約37万円)になった。ニ
ューヨーク・ヤンキースの試合を観戦するチケットも今シーズンから約10%値上が
りした。
▼買いだめを始めた日本政府系団体の駐在員
「石油ショックが近づいているのかもしれない」。ニューヨークの郊外に住み、
日本政府系団体で経済調査を担当する駐在員は、最近スーパーマーケットに買い
物に行く時にはいつも余分にトイレットペーパーを買うことにしている。
「日本で1970年代に起きたような買い占めが起きるとは思わないが、原油価格
の値上がりがあらゆる製品に及ぶのは間違いない」。今年4月、米国の卸売物価指
数は0.7%、消費者物価指数は0.3%、前月よりも上昇した。デフレが長く続く日本
にいると実感がわかないかもしれないが、米国ではインフレを感じる機会が著しく
増えつつある。
(ニューヨーク支局 山崎 良兵)
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「えっ、テニスコートまで値上がりするの」。ニューヨーク・マンハッタンの
不動産会社に勤める32歳の会社員は、いつも利用しているテニスコートの使用料値
上げに辟易した。昨シーズンまでは1人1時間当たり5ドルだったが、今シーズンか
ら7ドルになるという。
彼女が「またか」と思うのも当然だ。最近ニューヨークでは商品やサービスの
値上げが相次いでいる。
▼ケネディ空港からのタクシーは35ドルから45ドルに
5月3日には、黄色い車体でおなじみのニューヨークのタクシーの運賃が値上が
りした。実に8年ぶりの値上げで、初乗り運賃が2ドル(約220円)から2ドル50セン
ト(約275円)に、320mごとに加算される料金も30セントから40セントになった。
日本からニューヨークを訪れる人の大部分が利用するジョン・F ・ケネディ空港か
らマンハッタンまでの料金も一律35ドルだったものが、45ドルに改訂された。
タクシーだけではない。昨年5月には地下鉄とバスの運賃も値上がりした。初
乗り料金は1ドル50セントから2ドルになった。市民の足なので抵抗もあったが、財
政悪化を理由に押し切った。ニューヨークの地下鉄とバスの運賃は、ワシントンや
ロサンゼルスなど他の米国の大都市と比べても2倍近く高い水準である。
航空会社も値上げを加速している。米コンチネンタル航空は今年になって一部
の米国内線やカナダ方面の運賃に片道当たり5~15ドルを上乗せするようになった。
ほかの米大手航空会社も同様の措置を取っている。旅客だけでなく貨物も値上げ
をしている。
▼原油価格とは無関係のアパート賃料も7.2%上昇
物価上昇は食料品にも及んでいる。例えば牛乳。ニューヨーク州の統計では今
年6月初めの価格は、1ガロン(約3.8リットル)当たり4.43ドルだった。1年前には2.63
ドルだったので約1.7倍の水準にまで達したことになる。
昨年5月にカナダでBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)に感染した牛が見つかり、米
国への乳牛の輸入が禁止されたこともあるが、理由はそれだけでない。むしろ日々
の輸送にかかるガソリン代が大幅に値上がりしている影響が大きいようだ。
大部分の商品やサービスの値上げの背景にあるのは、原油価格の高騰だ。6月
初め、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物価格は過去最高水準の42ド
ルを超えた。サウジアラビアで起きたテロが価格高騰の引き金だったが、昨年春の
イラク戦争を契機に原油価格は高止まりが続いていた。戦争の遂行には継続的に大
量のガソリンが必要になるからだ。最近は40ドルを切る水準に下落したものの、依
然として高水準にある。
物価上昇は、ガソリン価格とは直接関係ないあらゆる分野に広がっている。ニ
ューヨークの不動産大手コーコラン・グループによると、2003年のマンハッタン全
域のアパートの平均賃貸料は約7.2%上昇して3333ドル(約37万円)になった。ニ
ューヨーク・ヤンキースの試合を観戦するチケットも今シーズンから約10%値上が
りした。
▼買いだめを始めた日本政府系団体の駐在員
「石油ショックが近づいているのかもしれない」。ニューヨークの郊外に住み、
日本政府系団体で経済調査を担当する駐在員は、最近スーパーマーケットに買い
物に行く時にはいつも余分にトイレットペーパーを買うことにしている。
「日本で1970年代に起きたような買い占めが起きるとは思わないが、原油価格
の値上がりがあらゆる製品に及ぶのは間違いない」。今年4月、米国の卸売物価指
数は0.7%、消費者物価指数は0.3%、前月よりも上昇した。デフレが長く続く日本
にいると実感がわかないかもしれないが、米国ではインフレを感じる機会が著しく
増えつつある。
(ニューヨーク支局 山崎 良兵)